前回は、組織がイノベーションを起こせない原因は「社内の論理(内部)」に判断基準が固定されているからであり、それを打破するには「組織の外(顧客)」に目を向けるしかない、というお話をしました。
今回は、その「外部で、どうやって顧客の本当の声を拾うのか」という泥臭い実践編です。 

アンケートや社内の声の「限界」

顧客視点を持とうとした時、多くの企業がアンケート調査や社内でのヒアリングを行います。
私が美容機器の開発をしていた時も、社内の女性社員にヒアリングを行い、モニターとして協力してもらっていました。
しかし、それだけでは決定的に不十分だったのです。なぜなら、美容機器メーカーで働く彼女たちは、そもそも美容に自信を持って関わっている「感度の高い層」だからです。
 
世の中の多くの女性は違います。
「私なんて今さらメイクしても…」、「派手になりたくない」
そうやって、美容に対するネガティブな感情を抱え、自分の本当の願いを押し殺している人の方が多いのです。しかしその一方で、日本の社会においてメイクや美容は「人前に出るためのマナー」という側面もあります。

心の奥底には、「メイクが上手くできれば、自信を持って人前に立てるのに」、「もっと堂々と社会と関わりたい」という、か細くも切実な思いが隠されています。
このような「人前では決して口に出せないコンプレックスや願い」は、会議室での推測や、表面的なアンケートでは絶対にたどり着けません。人は、建前で嘘をつく生き物だからです。
 

鏡の前の「無意識の行動」に隠された本音

だからこそ私は、展示会や体験会の現場に足を運びました。
デモ機を試している時の「会話(感想)」を聞くためではありません。私が観察していたのは、デモを試した直後、誰も見ていない隙に見せる「鏡の中の自分と対面する時の行動」です。
「彼女たちは、鏡に自分の どのパーツを映し込んでいるか。」
「無意識に、指でどの部分の感触を確かめているか。」
「そして、どのタイミングで、こわばっていた表情がパッと「笑顔」に変わるか。」
 
人の本当の願い(インサイト)は、言葉ではなく、この無意識の「行動」にこそ現れます。そこには、エビデンスやデータでは測れない、確かな「顧客の真実」がありました。
 

組織の論理を打ち破る、たった一つの武器

視点を「自分たちの保身(社内)」から、「切実な悩みを抱える誰か(社外)」へと180度転換し、その課題解決に異常なまでに没頭すること。
 
「あの鏡の前で喜んでいた彼女を、もっと笑顔にするためにはどうすればいいか?」
これこそが、ビジネスの原点である「プレゼント思考」です。
この外部との強烈なつながり(生きた顧客の実感)を持ち帰ることだけが、社内の固まった論理や同調圧力を相対化し、会議室に新しい風を吹き込む唯一の武器になります。
 
「顧客が本当に求めているものがわからない」と悩むリーダーの皆様。
まずは明日、パソコンを閉じて、あなたの顧客が本当に悩んでいる「現場」へ足を運んでみませんか?
そこにある「行動」の中にこそ、組織を動かし、新しい市場を創る突破口が隠されています。
 
これからも、私が現場で学んできた「泥臭い事業開発の実務」を発信していきます。ぜひフォローをお願いいたします。


私のHPをご案内します

記事をお読みいただき、ありがとうございます。
このNoteでは伝えきれなかった、パナソニック・ヤーマン時代に私が流した血と涙の記録や、経営課題を解決する「4つの実践アプローチ」、体験価値を具現化する「5ステップの実務伴走」のより詳しいプロセスを、公式ホームページでは深く掘り下げて公開しています。
 
「明日から使える具体的な技術」を求めているあなたにとって、何か新しい発見があるかもしれません。
ぜひ、あなたの羅針盤(コンパス)を見つけに、遊びに来てください。
 
そして、もし「自分の会社でも、このアプローチは使えるのかな?」「この課題を一緒に解決してほしい」と感じられたら、【無料相談(個別ミーティング)】をご活用ください。
 
あなたの「想い」を「確実なカタチ(収益)」へと導く実務伴走家として、あなたと一緒に新しい市場を切り拓きたいと願っています。