「既存事業が頭打ちだ…」多くの企業が抱えるこの悩みに対し、新たな水源となる「市場開拓」は不可欠です。
しかし、「うちには特別な技術はない」と諦めてしまうのは早計です。見事な市場開拓を成し遂げたワークマンの事例から、
成功の秘訣を探ります。
顧客の声が宝の地図だった「ワークマン」
「#ワークマン女子」というハッシュタグがSNSを賑わせ、ショッピングモールに店舗を構えるのが当たり前になったワークマン。
しかし、ほんの数年前まで、その姿は「現場で働くプロのための作業服店」でした。彼らは、どのようにしてこの劇的な変貌を遂げたのでしょうか。
きっかけは、SNS上にあった“想定外の声”
「ワークマンの防水防寒ウェア、バイク乗りに最高!」
「厨房用の滑らない靴が、妊婦さんに良いらしい」
プロ向けの「高機能・低価格」な製品が、本来のターゲットとは全く違う一般消費者に絶賛されていたのです。
同社はこの“宝の声”を見逃しませんでした。


ワークマンの市場開拓戦略
1.製品は変えない、見せ方を変える
長年培ってきた「機能性」という絶対的な強みはそのままに、その価値を「アウトドア」「スポーツ」「日常使い」という新しい文脈で翻訳して伝えました。
2.新しい“売り場”を作る
一般客、特に女性が気軽に入れる新業態「WORKMAN Plus」「#ワークマン女子」を開発。プロ向け店舗とは全く違う、
明るく開かれた空間を創出しました。
3.顧客を“ファン”として巻き込む
製品を愛用するインフルエンサーを「公式アンバサダー」に任命。
彼らと共に商品開発を進め、熱量の高いコミュニティを形成しました。
ワークマンの成功は、「自社の強みを客観視し、顧客の声の中に眠る可能性を発見した」ことに尽きます。
新製品をゼロから開発したのではなく、既にある宝の価値を「再定義」することで、巨大な市場を切り拓いたのです。
市場開拓とは、ゼロから何かを生み出す魔法ではありません。自社に眠る「宝」に光を当て、磨き上げ、
新しい舞台へ送り出す活動です。
あなたの会社にも、まだ見ぬポテンシャルが必ず眠っています。