会社の規模が30億、100億と成長する喜びとは裏腹に、すべての意思決定が自分に集中する重圧は増すばかり。
24時間365日、会社のことが頭から離れず、会社の成長と引き換えに「個人の幸せ」を見失ってはいないでしょうか。
これは多くの成長企業経営者が抱える「成功者の孤独」です。しかし、社長一人の能力と時間が会社の成長の限界になってしまう
前に、私たちは次のステップに進む必要があります。その鍵こそが、社長の孤独を終わらせる「右腕」の育成です。

なぜ、すべてを抱え込んでしまうのか
「任せたいが、自分と同じレベルでできる人間がいない」「過去に任せて失敗した経験がある」。
その気持ちは痛いほどわかります。しかし、社長の仕事は最高のプレイヤーであり続けることではありません。
自分がいなくても回る、自律した強い組織を創り上げることです。そのための最も価値ある仕事が
「右腕を育てる」ことに他なりません。
真の「右腕」を育てる3つの要諦
右腕とは、社長のビジョンを共有し、一心同体となれるパートナーです。育てるには覚悟が必要です。
1. 『失敗させる覚悟』を決める
これが全ての始まりです。「任せる」と言いながら口を出すようでは人は育ちません。権限委譲とは、結果責任もセットで渡すこと。「失敗も成長の授業料だ」と腹を括り、本当に任せ切る覚悟が求められます。
2. 社長の『思考プロセス』を共有する
なぜその経営判断を下したのか。背景にある市況、財務状況、そして社長自身の想いまで、思考のプロセスを徹底的に共有してください。会社のネガティブな情報や悩みさえも開示することで、相手は当事者意識を飛躍的に高めます。
3. 『小さな意思決定』から任せる
いきなり全権委任は無謀です。まずは一つの部門、一つのプロジェクトのリーダーなど、
範囲の限られた意思決定から任せましょう。プロセスに口を出さず「見守る」。この小さな成功体験の積み重ねが、
相手の自信と能力を育てます。
「時間」と「未来」を手に入れるために
右腕が育てば、社長は日々の業務から解放され、会社の10年、20年先を構想するという本来の仕事に集中できます。
それは同時に、社長が「個人の人生」を取り戻す時間でもあります。家族との時間、趣味、自分自身のメンテナンス。
そうして得られた精神的な余白が、経営者としての視野をさらに広げるはずです。右腕を育てることは、会社への最高の投資であると同時に、社長ご自身の人生を取り戻すための、最も重要なプロジェクトなのです。